東京高等裁判所 平成6年(行コ)199号 判決 1995年9月28日
東京都杉並区荻窪五丁目二五番五号
控訴人
有限会社泰健商事
右代表者代表取締役
加賀屋賢三
右訴訟代理人弁護士
小川敏夫
東京都杉並区天沼三丁目一九番一四号
被控訴人
荻窪税務署長 湯本長正
右指定代理人
野崎守
同
田部井敏雄
同
永田金司
同
徳永修
主文
控訴費用は控訴人の負担とする。
事実及び理由
第一申立
一 控訴人
1 原判決を取り消す。
2 被控訴人が平成元年三月二八日付けでした控訴人の昭和六一年一〇月一日から昭和六二年九月三〇日までの事業年度の法人税の更正のうち、所得金額四四一九万六七五六円及び納付すべき税額一六九八万八〇〇円を超える部分並びに重加算税付加決定を取り消す。
3 訴訟費用は第一、二審とも被控訴人の負担とする。
二 被控訴人
本件控訴を棄却する。
第二事案の概要
事案の概要は原判決事実及び理由「第二 事案の概要」欄記載のとおりであるからこれを引用する(但し、原判決四丁表二行目「一一八条」を「一一九条」と改める。)。
第三当裁判所の判断
当審も、当審証人衛藤潤、同高橋與平の各証言を参酌しても、ライベックスが本件土地の仲介をしていないとする原審の認定判断を左右するものではなく、控訴人の請求は理由がないものと判断する。その理由は次のとおり付加するほかは、原判決事実及び理由「第三 争点に対する判断」欄説示と同一であるからこれを引用する。
「当審証人高橋與平のいうライベックスによる本件仲介の内容は、控訴人代表者に対し、ライベックスが以前本件土地を購入することを検討した際の土地利用計画書を示したということと売却先の情報を与えたというのみで、全く具体性はないうえ、売買契約の締結に際し仲介人としての業務を何ら行っていないことは明白であるのみならず、衛藤の指示により、本件土地取引に仲介行為を行ったこととして仲介料名目で金員を受け取ることができるようになったことを窺わせる証言さえしているのであって、同証言は到底措信できない。」
よって、原判決は相当で、本件控訴は理由がないからこれを棄却し、控訴費用の負担につき行政事件訴訟法七条、民訴法九五条、八九条を適用して、主文のとおり判決する。
(裁判長裁判官 時岡泰 裁判官 河野信夫 裁判官 山本博)